呼吸理学療法(リハビリテーション科) [診療について]

神経筋疾患では、呼吸を行う筋肉の萎縮や筋力の低下、胸郭可動性の低下により呼吸不全を来たします。呼吸理学療法は呼吸リハビリテーションの一分野として、理学療法士のみではなく、医師、看護士、作業療法士、臨床工学士などの医療職の他、指導員、保育士、教員、または患者様やご家族と協力してチーム医療として行われています。

■ 当院における呼吸理学療法の特徴

当院は筋ジストロフィーを中心とした神経筋疾患の専門病院という立場から、小児から成人に至るまで、それぞれの病態に適した呼吸理学療法を展開しています。また人工呼吸療法が必要になる時期には、生活の制限を出来るだけ起こさないように活動性を維持し、安全で効果的な人工呼吸療法が継続できるように行われています。また入院患者様のみならず、在宅療養されている方に対しては定期的な短期入院や外来受診時に専門的な呼吸機能評価を行い、風邪などによる急性増悪の予防や対処方法についての指導を行っています。

■ 神経筋疾患における呼吸理学療法の内容

カフアシストによる器械的な咳介助(MAC)
カフアシストによる器械的な咳介助(MAC)

神経筋疾患では早期から積極的な呼吸理学療法が展開され、低下した呼吸筋力を補うために徒手による胸郭圧迫や吸気介助による咳の介助や器械による咳介助(Mechanically assisted coughing : MAC)を導入して気道内分泌物を除去し、呼吸仕事量の増加や誤嚥による窒息などを防ぎます。また深呼吸の低下を補うため、さまざまな手段を用いて胸郭の可動性や肺の拡張性を維持します。人工呼吸療法では、肺炎や無気肺などによる気管内挿管や気管切開を回避し、医療的ケアも少なく活動性やQOLが維持されやすい非侵襲的換気療法(noninvasive positive pressure ventilation : NIV)を安全に効果的に楽しく継続するために、呼吸機能だけでなく、NIV使用に適した車椅子やマスクやマウスピースの設定など、生活上の環境設定も行います。

■ 神経筋疾患による呼吸機能評価

ピークフローメーターとマスクを用いたPCFの測定
ピークフローメーターとマスクを用いたPCFの測定

よく知られている一般的な呼吸機能評価のほかに、神経筋疾患の呼吸不全の病態に適した評価が必要になります。それは(1)肺活量(Vital capacity : VC)と(2)最大強制吸気量(Maximum Insufflation capacity : MIC)と(3)咳の最大呼気流速(Peak cough flow : PCF)です。

12歳以上では、PCF<270l/min以下では風邪を引いた時などには気道内分泌物の喀出が困難になり、PCF<160l/min以下では日常的に上気道からの排痰が困難になると言われています。咳の力が弱くなりPCFが低下した時には、咳介助により適切なPCFを得られるかどうかの評価が必要になります。

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